コロナ禍で開催が見送られていた大森東にある厳正寺の水止舞が、3年ぶりに開催されました。喜!大田区イチ?いや東京イチの奇祭との呼び声も高いこの神事、おおらかかつ厳かな雰囲気で好きなんですよね。700年以上前に生きた人は、こうやって雨が止むのを祈ったのか……なんて思いを馳せたりして。そう考えると、お祭りってなんだかタイムカプセルみたいですよね。
7月10日、15時、例年のスタート地点である大森東中学から数十メートル手前から「道行」が始まりました。まずは、藁の縄をぐるぐる巻きにして龍神に見立てた中に人が入り、法螺貝を吹き鳴らします。
龍神は男衆によって少しずつ厳正寺に向かって運ばれるのですが、その際、沿道のあちこちからバケツで水が撒かれるんですね。龍神はもちろん見物客もみんなびしょ濡れ。今後参加予定の方、携帯など電子機器が心配でしたらジップロック必須ですよ!
龍神が道を開けた後には、蓮の模様が入った手ぬぐいを頭に巻いた子供たち、笛などの鳴り物、花籠、3匹の獅子と行列が続きます。獅子は赤いのが雌獅子で、黒いのが若獅子と雄獅子になります。羽ふさふさでかわいい。
一行が厳正寺に到着し、境内に設られた舞台にあがると、いよいよ水止舞が始まります。笛の音や唄が風に乗るなか、獅子たちが華麗に舞う姿よき……。ふと別方向を見ると、龍神の中に入っていた男性が、ケーブルテレビか何かのインタビューに、「水止舞でびしょ濡れにならないと、夏が来た気がしない」と答えていらっしゃいました。同感です!(M)