oomoriwestのブログ

東京のブルックリンこと大田区大森地区ときどき京急沿線の日常を綴っています。

大森ロッヂで日本茶の奥深さを知る。

夏も近づく八十八夜♩ということで、新茶の季節ですね。今回は日本茶ソムリエの資格を持つ大森ロッヂの住人・casaranaさんのワークショップにおじゃました話です。

 

WSが行われたのはうららかな週末の午後。暖かい日差しのなかで最初に供されたのは、ほんのり桜色の冷茶です。お水100mlに対して1gの茶葉とドラゴンフルーツやりんごなどのドライフルーツを入れて抽出したものだそう。改めて、いい色だなぁ。

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キレイな飲み口で清涼感のなかにほんのり甘みがあり、すっと細胞に染み込んでいく感覚があります。使った茶葉は新茶を1年寝かせたもの。日本茶は寝かせると味がまろやかになって落ち着くのだそうです。ただし、野菜と一緒で温度差に弱いので、専用の茶箱などに入れて温度差が出にくい場所に保管するとよいようですね。

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「今日はいろんなお茶を出しますので、口を変える時にどうぞ」と、奈良は『砂糖傳 増尾商店』の金平糖をすすめていただきました。小さい方は甘酒の味、大きい方はお米の味で、どちらも優しい甘さです。

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ブレンドしていない、摘んで蒸しただけの荒茶をそのまま食べる体験もしました。ポリポリ噛むと最初はあまり味がしないのですが、そのうち海苔のような旨味が出てきて、最後に苦味が少し。よい茶葉はつまみになることを知りました(コラ!)

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さあ、一煎目。テアニン(アミノ酸の一種)を引き出すため、低い温度でいれた荒茶です。少しダシっぽい旨味と甘味があり、ふーっと肩の力が抜けていきます。テアニンにはリラックス効果があるのかな?

 

急須を振るといろんな味が一気に出てくるので、先述のような味わいにしたい場合はゆっくりいれることも大事とcasaranaさん。とはいえ濃い味がダメというわけではなく、「これ飲みにくいなと思ったら、お湯を足してくださいね」とのこと。ガチガチなルールがあるわけではないところが私のようなルーズな人間には有りがたい。

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美味しい二煎目をいれるため、一煎目をいれた後はこうやって蓋を開けておくことも大切。蓋を閉めると茶葉がどんどん開いてしまいますからね。二煎目は80度ぐらいで抽出。先ほどの黄色がかった色味から緑がかった色味に変わったことがわかります。味もthe緑茶とでも言うべき、すっきりした苦味が出てきました。

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こうやってマジマジと茶葉を見比べるのも初めての体験です。奥から浅蒸し、深蒸し、釜炒り茶(紅ふうき)、そして一番手前はcasaranaさん自ら京都の山奥で摘んで蒸した茶葉です。なんだかひじきっぽいぞ? しかし、お湯を注ぐと…。

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こういうのを一芯二葉というのでしょうか? ぎゅっと縮こまっていた葉がほどけて、そのまんまな姿に。ちなみにこれらのお茶を少しずつスプーンですくって飲んでみたのですが、それぞれ違うシーンが頭に浮かぶのも楽しかった。例えば、紅ふうきはお茶漬けにあうなあとか。

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奈良のかりがねほうじ茶(熱湯300mlに対して茶葉10g)でかしわ餅をいただくおやつの時間もありました。このかしわ餅は旧東海道沿いの『餅甚』のもの。つぶあんこしあん、みそあんのご用意があり、私はみそあんをいただきました。やっぱり餅甚の和菓子は美味しいなあ。

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忘れられないのは二煎目をいれた後の荒茶の味。冷めた荒茶の茶葉を塩レモンという調味料でいただいたのですが、これが私のハートにクリティカルヒット! 柔らかな茶葉には三煎目いけるかなってぐらいの苦味が残っていて、それと塩レモンが合いまくり。レモンの皮をザク切りにして塩と少しのアミノ酸を足し、味を馴染ませた調味料なんですが、「君とは仲良くなれそうだね」ということで、速攻でネット注文しました。

 

締めに蕎麦茶をいただき、今日飲んだなかで一番好きな茶葉までお土産にいただいてこの日は終了。楽しみながら日本茶の深淵をのぞくことができました。ちなみに、ここに書いた茶葉やお湯の分量はあくまで目安です。「濃淡やお湯の温度は色々試してみてくださいね」とのことなので、気分によって入れ分けてみるのも楽しそうです。(M)