oomoriwestのブログ

東京のブルックリンこと大田区大森地区ときどき京急沿線の日常を綴っています。

平和の森公園で食べられる野草探し。

大森西エリア住人の心の故郷であり、東京のコニーアイランドと我々が勝手に呼んでいる大森ふるさとの浜辺公園。当ブログでもお馴染みのこの公園は、平和島公園と平和の森公園とつながっていて、3つの公園は平和島一帯が埋め立てられる以前は海でした。その当時は海水浴場があり、一大リゾート地として栄えたようです。

 

冒頭から話がそれましたが、今回は去る3月16日に平和の森公園内「みどりの縁側」で行われた野草研究家・山下智道さんによるワークショップに参加したお話です。

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こちらが講師の山下さん。お母さんは活け花をたしなむ料理研究家、お父さんはエベレストに登ったこともある登山家で、幼い頃から自然に対する愛情を育んできたというナチュラルボーン野草研究家です。

 

この方、ハーブ王子という別名を持っていて、正直お会いするまではチャラいお兄さんなのかと思っていました。しかし、座学が始まってすぐに前言撤回! とにかく知識量がハンパないんです。話術も巧み! 「ハーブはもともと古代エジプト発祥。ミイラをぐるぐる巻きにしている包帯にはミルラという砂漠の植物が使われていて、これに浸した包帯を使うといい感じのミイラが出来るんです」なんて小ネタが次々に繰り出されます。

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春の七草のお話もお粥に入れて終わりではありません。例えば芹は身体を温め、ナズナは眼精疲労に効くなんてことを教えていただきました。そうそう、抗菌作用のあるハコベには泡立ち成分のサポニンも含まれているので歯磨き粉がわりになるなんて話も。

 

さて、座学のあとは公園内を歩き、足元の野草についてレクチャーしていただくフィールドワークです。

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わりかしメジャーなノビルはネギっぽい味わいで酢味噌で和えればツマミになる野草ですが、よく似た毒性のある野草があるから要注意。見分けるポイントは中が空洞になっているかどうかだそうです。

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白い小花がかわいいミチタネツケバナは、みずみずしい食感とピリ辛な後味が美味しく、サラダにすると最高だそう。勉強になるなあ。

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これはツボクサ。古代中国では神聖な薬草として親しまれていたそうです。独特の香りがあり、刻んで生春巻きに入れるといいアクセントになるのだとか。このように1つ1つの活用法を教えてもらえるので、皆さんメモを取りまくり。

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これはクスノキの葉っぱ。葉脈が3本あり、ダニが暮らすダニ部屋があります(黒い点々)。これは、クスノキを食べるダニを食べてくれるダニを飼うためなのか、植物を食べるダニをおびきよせて閉じ込めた後に葉を落としてしまうためなのか、いまだ研究中なのだとか。植物はワンダーに溢れていますね。

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最後にお茶をいただきました。これ、実はカラスノエンドウのお茶なんです。鞘が笛になるので、幼い頃はピーピー豆と呼んだものです。肝心の味はというと、若干の青くささはあるものの豆感とほんのりした甘さがある優しい味でした。いやあ、2時間たっぷり楽しみました。

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馴染みのある公園の足元を見ながら歩くだけで、こんなに印象が変わるんですね。調理法をお伺いしながらだったので、食欲も刺激されまくりでした。

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もっと野草について知りたいと思った方は、山下さんのご本をチェックです!(M)