大森には東京都無形民俗文化財に指定されている一風変わったお祭りがあります。毎年7月、厳正寺で行われるその祭りの名は「水止舞」。
どこが変わっているかと言うと、荒縄でぐるぐる巻きになった筒(?)の中に男の人が入り、ホラ貝を吹き続ける。その筒を数名がかりで2,3メートル運び、その都度地面に下ろす。
沿道にいる人々がホラ貝男に水をかけるという…はい!ちょっと何言ってるかわからないですよね。
百聞は一見に如かず。ということでご覧ください。上の写真がホラ貝の人、下の写真が水をかける人です。
この奇祭の起源は1321年まで遡ります。当時、大森一帯が大干ばつになり、住職さんがワラで龍の像を作って祈祷をささげ、雨を降らせたんですね。ところが2年後、今度はめちゃくちゃ雨が降って田畑が流出。「あの時の祈祷が原因ちゃうんか!」と息巻く村人がでてきたので、
住職は獅子の仮面を作って「水止(しし)」と命名。それを村人にかぶらせて踊らせ、太鼓やホラ貝を鳴らして雨がやむよう祈祷をささげたところ雨がやんで以来、毎年「水止舞」が行われるようになったそうです。
ちなみに壇上で踊る4人のうち黒い仮面をつけているのが獅子です。浴衣の柄がかわいい。花笠も情緒があります。
沿道には一切、屋台とか出ませんし、全身びしょぬれにはなりますが、夏の日差しのもと天に向かってぶっかけられた水がキラキラ光って、なんかテンションがあがるんですよね~。
写真撮りまくりの外国人観光客もいれば、自ら「水かけて~」とせがむ子供ちゃんもいたりして、老若男女がただびしょぬれになっているだけなのに、なぜかみんな笑っているという異常事態がそこに現出。サイコーです。みなさんも来年の7月は参加されてみてはいかがでしょう?
ただし、カメラやケータイなど濡れたら悲しいものはジップロックに入れて参戦を!(M)